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Kindle 本を読むのに掛かる時間を知りたい

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Kindle はその本を読むのに掛かる時間の目安を教えてくれる。 具体的には iOS の Kindle アプリ [^1] で本を開き、メニューの About This BookTypical time to read [^2] を見れば良い。

ただここで表示されている時間と実際に自分が読んだときの体感時間が合わないと感じたので、もう少し深堀りしてみた。

動機

そもそもなぜ本を読み終えるまでの時間が気になり始めたかと言うと、目標管理のためだ。 一人スクラムの記事で書いた通り、自分は個人のタスクをスクラムで管理している。 タスクに取り組み始める前に見積もりを行うため、 Kindle 本を読むタスクについては実際どのくらいの時間が掛かるのか、見積もり可能な程度の正確さで知りたかった。

以前はページ数から見積もっていたのだが、ページ当たりの単語数、図表の数や内容、章の多さ [^3] などが見積もりを狂わせる要因となった。 そんなある日、普段使わない iOS の Kindle アプリを開いたら、本を読むのに掛かる目安の時間を教えてくれていることに気づいたのだった。

Typical time to read はどんな数値か

Typical time to read はどのようにして算出されているのか。 調べてみると、どうやら Location [^4] の情報から算出されていることが分かった。

Location というのは Kindle 独自の本の位置の表現だ。 おおよそ一定の数の単語の集まりを一単位としており、ページ数よりも正確に本のボリュームを表すことができるらしい。

以下の表で、自分が持っている幾つかの本の Typical time to readLocation の関係をまとめた [^5] 。 この2つの関係はほぼ線形であることが分かり、 Kindle 的には1時間当たり約 820 Location 読むペースを平均としているらしい。

ということで Typical time to read は客観的な数値であると言って良さそう。

自分の読書スピードとの差異を算出する

冒頭で述べたように、 Typical time to read と実際に自分が読んだときの体感時間が合わないと感じた。 というのも自分は読書スピードが遅く、昔から家族や友達で同じ本や漫画を読むと大抵相手の方が早く読み終えていた記憶がある。

たまたま(?)「リーンスタートアップ」を読んだときに読書時間を計測していた。 比較してみると、 Typical time to read が 399 分に対し、掛かった時間は 476 分とおよそ 1.2 倍だったので、体感に合う。

他の本の場合も 1.2 倍で済めばよいが、考えてみるとこの倍率に影響を与えるようなバリエーションは色々とある。

  • 参考文献リストが超長い
  • 専門書
  • 自分で手を動かして学ぶことが推奨されている
  • 外国語

計画作成の観点では、よく読む本の種類についてそれぞれ補正倍率を用意しておいた方が良いのかなとも考えている。

まとめ

Kindle 本を読むのに掛かる時間の目安である Typical time to read は客観的な数値であることが分かった。 しかし実際に自分が読み終えるまでの時間を算出するのはテクニカルに難しいことも分かった。

事前見積もりは読書に限らずいつでも難しいし、正確性を高める努力はキリがない。 ある程度の情報が集まったら思い切って見積もりを決めた方が良いことを実感できる良い調査だった。

[^1]: MacOS 版の Kindle アプリ v1.30.0 には About This Book なる項目は存在しないようだった。 [^2]: 日本語の場合は「この本の情報」の「読み終えるまでの平均的な時間」。 [^3]: 固定フォーマットの Kindle 本の場合、章の区切りで空白が含まれる。章が多ければ多いほど空白が増えるので、見た目のページ数よりもボリュームは小さくなる。 [^4]: 日本語の場合は「位置No.」。 [^5]: 本によっては Location が表示されない場合もあり、今回の計測ではそれらを除外している。